著作権法違反国外犯処罰の問題点(備忘) 各論 重要物産同業組合法・移民保護法の改正

重要物産同業組合法
重要物産同業組合法(明治33年3月7日法律第35号)は制定当初、20条に「同業組合又ハ同業組合連合会ノ証票若ハ検査証ヲ営業品ニ偽リテ附シタル者又ハ、偽造、変造ノ証票若ハ検査証ヲ営業品ニ附シタル者ハ十五日以上六月以下ノ重禁錮又ハ十円以上百円以下ノ罰金ニ処ス」という刑事罰規定を有していた(他に19条に過料の規定あり)。

大正5年の法改正で刑罰の改正が行われ、20条の4に「第二十条ニ掲グル罪ハ刑法第三条の例ニ、第二十条ノ二ニ掲グル罪ハ刑法第四条の例ニ従フ」と独自の規定が設けられたことに伴い、刑法施行法27条2号が削除された。

これについて、政府委員の岡實(農商務省商工局長)は、次のように説明している。
「賄賂を提供したる者との関係、帝国外で犯した者に之で及ぶや否やと云う24条の4(ママ)と云う如き関係、是等は矢張り従来の立法主義とうまく権衡を取ります為に司法省と協議いたしまして、刑法の施行法の規定に対しまして20条の4と云うものを新に設けました訳であります。そこで罰科其他に付きましては一般の刑罰との関係もございますので、司法省と合議の上、斯の如く提出いたしました所以であります」(大正5年2月19日 貴族院・重要物産同業組合法中改正法律案特別委員会)

移民保護法
移民保護法は、明治29年に制定された後、明治40年に比較的大きな改正があり、新たな刑事罰規定も加えられたが、刑法施行法成立以前の話なので無関係
移民保護法は、昭和57年に廃止されるまで存続していたが、明治40年以降、一度も改正されていない。
確認は困難だが、そのだいぶ以前から死文化していたようである。

著作権法
とりあえず、現行法までの罰則改正
➠これらの際に、刑法施行法についての考慮はあったか?
次回の課題だが、新しり類型の罰が登場した訳ではないので、なさそう・・・)

◇明治43年改正
・罰金の下限額がなくなる

昭和6年改正
・出所明示義務違反罪(39条に新設された20条の2違反が加わる)
・41条の削除

昭和33年改正
・罰則の引き上げ
・時効規定(45条の削除)

昭和45年改正
・全面改正

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