加戸守行著「著作権法逐条講義〔6訂新版〕」著作権情報センター 2013年8月
オススメ度
「一般」は著作権について大まかに知りたい方、「初学者・学部生」は著作権を基礎からしっかり勉強したい方、「大学院生」は司法試験で知的財産法を選択する方、「実務者」はメインの業務で著作権に携わる方が目安となります。
初学者・学部生 ★★☆
大学院生 ★★★★
実務者 ★★★★
紹介
昭和45年成立の現行著作権法の起草担当者によるコンメンタール。当時、著者が担当した講義をベースにして著述したという経緯から、法律書にしては珍しく「ですます調」で記載されています。
その性質上、条文の文言の説明が中心で、論点や裁判例への言及は極めて少ないものの、制定当時の考え方を知ることができるため、初版の発行(昭和49年)から長い年月を経た今も影響力を有する重要書です。
加戸名義で最新版も発行されていますが、法改正に対応して補充等された箇所については、その時の文化庁の起草担当者が執筆しているようです。
このように歴代の起草者が執筆していることもあって、条文の解釈の疑義が生じた場合、専門家であれば必ずひもとく文献となっており、「カトチク」の略称で呼ばれています。
とはいえ、優れた体系書や各分野の実務について詳しく解説された書籍が入手できる現在、専門家は別にして、個人で購入価格に見合うだけの価値を見出すのは難しいかもしれません。
著者は、元文部官僚で文部大臣官房長まで昇進、1999年から2010年まで愛媛県知事をつとめています。
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