高林龍著「標準 著作権法〔第3版〕」有斐閣 2016年12月
オススメ度
「一般」は著作権について大まかに知りたい方、「初学者・学部生」は著作権を基礎からしっかり勉強したい方、「大学院生」は司法試験で知的財産法を選択する方、「実務者」はメインの業務で著作権に携わる方が目安となります。
初学者・学部生 ★★★★
大学院生 ★★★★
実務者 ★★★★
紹介
現在の知財法学会をリードする元判事(父も高名な判事でした。)による概説書。著者による姉妹書「標準 特許法」は、数ある知的財産法関連書籍の中でも屈指の傑作で、この分野の書籍の潮流を作った一冊といっても過言ではありません。
重要な論点については丁寧に解説しつつ、争いがない手続的な規定等はごく簡潔に言及するに留めるという絶妙のメリハリで、学習書としても読み物としても白眉の存在です。
本書は、「特許法」と同様の作りなのですが、「特許法」ほどの感動は得られないかもしれません。
著作権法は特許法よりはるかに論点が多く、本書では物足りない印象を受けるからだと思います。
また、現在の著作権法はあまりにもごった煮の状態ですので、必然的に説明も雑多になりがちだからということもあるでしょう。
とはいえ、好著であることは間違いないなく、概説書としては「著作権法入門」と双肩をなす書籍です。
なお、本書の「はじめに」で重要な点が説明されています。
この書籍では小さなフォントで書かれている箇所が多いのですが、この小さなフォントの部分にこそ著者の考えが濃厚に表わされているので、飛ばさずにしっかり読んで下さい。
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