中山信弘著「著作権法〔第2版〕」有斐閣 2014年10月
オススメ度
「一般」は著作権について大まかに知りたい方、「初学者・学部生」は著作権を基礎からしっかり勉強したい方、「大学院生」は司法試験で知的財産法を選択する方、「実務者」はメインの業務で著作権に携わる方が目安となります。
初学者・学部生 ★★★★
大学院生 ★★★★★
実務者 ★★★★★
紹介
現代の知的財産法学の基盤を築いた泰斗による体系書。構成はオーソドックスでありながら、各所で深い考察がなされており、著作権法を学習する人や実務に携わる人には必携の書といえます。
平明な文章でスラスラ読み進めることきますが、問題意識を持って読み返してみると、徹底的な考察の末に記載された内容であることに気づき、その奥深さに驚かされるはずです。
主要な論点はほぼ網羅されていますが、論点を調べるために辞書的に本書を開くのでは、その本領を知ることはできないでしょう。
混乱と錯綜の真っ只中に置かれている著作権法。
そんな中でも、存在するであろう基底を見出し、基本軸を明らかにせんとする著者の精神に触れてこそ、この本の価値が少しでもわかるのだと思います。
ですから、「この論点ではどの説を採っている」といった小さな視点ではなく、著者がなぜそのような考えに至った底流を探りながら、じっくり向かい合うべき書籍といえます。
初版(2007年発行)では「慌てて作ったのでは?」と思わせるような粗漏も見られましたが、第2版ではそのようなこともなく安心して読み進められます。
古今を通じて著作権関連の最良の書であるのは間違いありませんが、索引が不出来である点が少し残念です。
電子書籍版も出版されています。
著者は東京大学名誉教授、弁護士(西村あさひ法律事務所)。
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